後悔だけはしたくなかった
3月6日(土)に夜行バスで徳島に行きました。理由はただ一つ、J1ホーム開幕戦を見るため。
社会人になって徳島を離れる際、「ヴォルティスのホーム開幕戦とホーム最終戦は必ず見に行こう!」と固く誓いました。ところがコロナウイルスのせいで日程が大幅に狂ったこともあり、昨年のホーム最終戦、すなわちJ1昇格を決めたあの感動的瞬間に立ち会えませんでした。
す叶えたJ1昇格。#リカルドロドリゲス 監督とキャプテン #岩尾憲 選手がピッチで抱き合う✨
これが、歴史に刻んだ瞬間だ‼️‼️#徳島ヴォルティス#vortis pic.twitter.com/H3ZJjpk1gb
— 徳島ヴォルティス 公式 (@vortis_pr) December 16, 2020
貴重な有休を消化してでも行くべきだったかなーと少し後悔しています。移動するのが憚られるご時世ですが、行かずに後悔はしたくないと思い、夜行バスに乗り込みました。
ポカリスエットスタジアムに行くのは2020年のホーム開幕戦だった東京V戦以来です。
試合前①:出身地でもない場所で「おかえり」と言ってもらえることに感謝
徳島駅から徒歩3分の場所でカーシェアを予約。試合までは時間がたっぷりあったので、ドライブすることにしました。
最初に行ったのは、鳴門市にある大麻比古神社。
毎年シーズン初めにヴォルティスの選手・監督が必勝祈願をする神社としても知られていますが、学生時代に車を持っていなかったこともあり、まだ行ったことがありませんでした。
徳島サポーターになってから初めてのJ1ホーム開幕戦を勝利で飾るべく、個人的には御朱印を手に入れるという目的を抱え、車に乗り込みました。



お参りを済ませ、さて御朱印を…というところで痛恨のミスをしてしまいます。
御朱印を書いてもらえるのが9:00からでした。朝7:30、ひとりぼっちの神社でそれに気付きました。あと1時間半どうしよう、寒い中何もしないのはさすがにしんどい。そしてお腹も空いてきたという危機的状況。
「そうだ、うどんを食べに行こう。」
車を走らせて、JR鳴門駅から徒歩5分の場所にある「たむらうどん」へ行くことに。御朱印はうどんを食べてから貰いに行くことにしました。
Twitterでもここのうどんが度々載っていて、いつか行ってみたかった場所の一つ。

店に着いたのが8:30頃。朝6時から営業しているので店内には入れたのですが、既にほぼ満席の状態。地元の方や、対戦相手の神戸サポーターなど様々な年齢層の方が座っていました。
かけうどんを注文してどこの席に座ろうかと探していると、どこかで見覚えのある後ろ姿が。
その人の隣に座ると、なんとサポートスタッフでお世話になっている方でした。あまりにもびっくりして言葉が出てこなかったです。絶句とはまさにこのこと。
その方は、初めてヴォルティスでボランティアをした時にスタジアムの案内をしてくださり、ボランティアの楽しさを僕に教えてくださいました。「ささえる」というサッカーの楽しみ方を教えてくださった人です。
昨年のアウェイ京都戦以来の再会。最初の一言は、
「おかえり」
僕とその方は親族にあたるわけではありません。ヴォルティスのサポートスタッフとして、ホームゲームを一緒に作っていく「仲間」です。
僕が徳島に住んでいなければ、ヴォルティスがなければ、サポートスタッフがなければ、お会いできる可能性は極めて低かったでしょう。
4年間しか徳島に住んでいなかった僕に「おかえり」と暖かく迎えてくださる人や居場所に出会え、今に繋がっています。
「徳島に帰った時に待ってくれる人がいる」
この事実は僕にとっての大きな財産です。ご縁に恵まれました。
今後の人生で万が一、某番組に出演した際には「僕のアナザースカイは徳島です。」と言う気満々でいます。そのようなことにはならないと思うので、この場に記しておきます。
ポカスタのように、「ここに行けば誰かに会える」場所がまた一つできました。今後スタジアムに行く際は、ここに寄り道してから行こうと思います。

試合前②:スタグルレポ(2杯のどんぶり)
御朱印を貰い、徳島駅に戻ってカーシェアを返却。路線バスでスタジアムに向かいました。
スタジアムに到着したのは12時前。全席指定席なので席の心配をする必要は無いですが、スタジアムは既に多くの人で賑わっていました。
朝にうどんを食べましたが、スタジアムグルメを堪能するために胃袋には余裕を持たせています。
スタジアムに一旦入場して荷物を置き、いざスタグルへ。お昼時ということもあり、どの屋台にも行列ができていました。
何を食べようか悩みましたが、直感で焼肉長尾の「阿波トン丼」を食べることにしました。
朝にうどんを食べてこれからご飯もの。炭水化物が僕の胃を容赦なく襲いますが、ここは聖地ポカスタ。そんな細かいことは気にしていられません。
豚肉はジューシーで、玉ねぎはシャキシャキ。甘辛いタレでご飯がどんどん欲しくなる最高の一杯でした。ごちそうさまです。

久々のスタグルに満足して席に戻りましたが、お酒をまだ飲んでいないことが発覚。
「応援で声も出せないのに酒がないのはあまりにもつまらない」と思い、今度はバックスタンド側の売店を覗いてみました。
お酒とつまみをどうしようか悩んでいると、鱧のてんぷら丼が僕に食べてもらいたいのか、こちらをじっと見つめてきたのです。
どんぶりを食べたばかりなので、天ぷらの部分だけ欲しいなーと思い、店員さんに相談。
「天ぷら単体だと¥900になってしまいます。」と言われて損する気がしたので、本日2杯目のどんぶりを購入することを決意。合わせてクラフトビールも購入(¥600 or ¥700)。
スタジアムでハモを食べられるのは珍しいですよね。フワフワした食感でビールが進みました。ごちそうさまです。

試合観戦:歓声のボリュームがJ2時代の比にならない(気がする)
陸上トラックの改修中で、いつもとは違った雰囲気のポカスタ。1年ぶりに帰ってきました。
Jリーグオフィシャルスポンサーの看板がタッチライン沿い(写真左側)にズラリと並んでいるのを見て、J1の試合であることを実感しました。

声を出しての応援が禁止されているため、手拍子をしながら試合を観戦しました。
ゴール裏で試合を見ていたからなのかもしれませんが、1プレーごとのサポーターのリアクション(歓喜・悲鳴の両方)のボリュームがJ2のそれとは比較にならないくらい大きかったです。
J2ではあまり感じてこなかった緊張感・高揚感がJ1にはありました。
ドウグラスの身体能力の高さに驚き、古橋のクロスバー直撃のシュートに肝を冷やすも、スコアレスのまま時間だけが過ぎていきました。
75分に垣田が先制点を挙げた時、待ってましたと言わんばかりの大歓声がスタジアムに響き渡りました。J1でのホームゲーム初勝利を願ったヴォルティスサポーターの想いが、あの歓声を生んだと思います。
今までに感じたことのないようなスタジアムの盛り上がり方で、サッカーを見ていて久しぶりに鳥肌が立ちました。
コロナ禍で入場制限がなかったら、もっとお祭り騒ぎになっていただろうなと思います。
そのまま試合が終わってほしかったものの、同点ゴールを決められ、1-1で試合終了。今季初勝利、そしてJ1でのホームゲーム初勝利はお預けとなりました。
それでも試合後はサポーターからの労いの拍手がスタジアムを包みました。
「J1でも自分たちのサッカーは通用する」
試合結果には満足していませんが、僕を含めた多くのサポーターが思ったことではないでしょうか。
まだシーズンは始まったばかりです。監督や新外国人選手の来日を待ちながら、J1の舞台を選手と一緒に楽しんでいきたいと思います。
